
学園町を選んだ理由
夫:学園町を選んだきっかけは、妻の実家がある沿線で住まいを探していたことでした。都内への通勤も考えながら調べていたのですが、最初は地図の航空写真で見て、「ここだけすごく緑が多いな」と思ったのです。近くに川もあるし、良さそうだよねと話していました。
実際に来てみると、このエリアだけ本当に緑が多くて、とても驚きました。二人とも自然豊かな環境で育ったため、「子育てをするならここがいい」という気持ちが決め手になりました。
妻:長男を妊娠している頃から住み始めました。住んでみるとやはり子育てのしやすさを感じます。

自然の中で子育てできること
妻:子どもを遊ばせる場所があるのは、本当に大きいです。しののめ茶寮の砂場もそうですし、自由学園が子連れで行ける場所を開いてくれていることで、そこで出会う子育て世代の方と自然につながっていきました。そこに行けば誰かに会えて、少しずつ地域の輪が広がっていきました。
夫:落合川に行けば水辺で遊んだり、生き物を見つけたりできる。ここには自然の中で子育てしたいと思っている家族が集まっていて、人との関わりも生まれている。そこがこのまちの魅力だと思います。

「自治会=仕事」ではなかった
妻:引っ越してきた時、お隣の方に自治会に入りませんかと声をかけてもらったんです。最初は正直、身構えてしまう部分もありました。集金や、ゴミ置き場の掃除など、「自治会=仕事」というイメージがありました。
でも、入ってみると全然違いました。仕事を強いられる事はなく、自治会で主催して下さるイベントのお知らせを受け取れたり、近所の方とも自治会に入っている仲間という感じで交流が増えました。自治会長をはじめ、皆さん良い方ばかりで、つながれてよかったなと思うようになりました。別の場所だったら、こんなふうに人と交流しようとは思わなかったかもしれないです。
夫:都内だと、隣に誰が住んでいるのかもわからないことも珍しくないです。でも学園町は、子どもを通して自然と顔見知りが増えていく。顔の見える中で子育てできるのは安心感があります。地域のみんなで子どもを見守ってくれているような感覚です。
地方ほど濃すぎず、でも関係性はきちんとある。各家庭の時間を大切にしながら、程よく関われて、程よく自由。その距離感がすごくいいんですよね。
つながりを生む「機会」と「場所」
夫:学園町でコミュニケーションが生まれやすいのは、いろいろなきっかけがあるからだと思います。ひとつは、「苗と種の交換会」のように、地域の人たちが気軽に集まれる機会が定期的にあることです。
もうひとつは、しののめ茶寮やこっこ広場の砂場のような、人が自然と集まれる「場所」の存在です。さらに、散歩をしている人や庭の手入れをしている人など、日常のなかで人の気配がいつも感じられます。町のなかにそうした機会や場所があることで、顔を合わせる頻度が増え、自然と会話も生まれているのだと思います。
妻:今は子どもたちと「お砂場会」もやっています。もともとは保育園の同級生家族と、しののめ茶寮の砂場でたまたま会って、泥だらけになって遊ばせたのがきっかけでした。そこから仲良くなって、今では一緒に畑を借りて野菜を育てたりもしています。

共感と現実のあいだで
夫:このまちには緑の豊かさに惹かれて集まってきた人が多いのだろうと思います。庭がきちんと手入れされていたり、剪定されていたり。私たちも、紫陽花を育てたり、草木を植えたりするようになりました。
妻:私たちも、このまちの雰囲気や、「緑を大切にしたい」という気持ちには共感していますが、具体的に何をしていけばいいのかは、まだわからないでいます。
夫:大きな樹木が切られていくのを見ると、残念だなと思います。でも、もし自分がそれを維持する立場になって、管理費を負担してでも残したいと思えるかと言われたら、簡単には言えない。残したい気持ちもあるし、大変さもわかる。
そのため、個人だけが負担を背負うのではなく、行政の補助や、企業の支援など、もう少し大きな仕組みで支えられる形があったらいいのかなと思います。
体験から生まれる、自然への意識
夫:住民の意識を高めたり、維持したりするには、もっとこのまちの環境保全に触れる機会を増やすのもいいかもしれません。たとえば、自然管理に詳しい人と一緒に子どもたちも学べるイベントを開催するとか。
緑が多いまちだからこそ「ただの落ち葉の掃除」で終わるのではなく、その落ち葉が昆虫の住みかになったり、土づくりにつながったりすることを知ると、見え方も変わると思うんです。落ち葉をためて腐葉土を作って、その土で花壇をつくる。そんなイベントが行われていたら、参加してみたいなと思います。
妻:今は、月一回旧緑ヶ丘幼稚園を開放していただいているので、子どもたちが水をバシャバシャかけ合って泥まみれになって遊んでいます。 子どもたちが本当に楽しそうで、思いきり遊べる場所があることを、とてもありがたく感じています。
「もし、この場所がなくなったら嫌だな」と思うからこそ、守りたい気持ちが育っていくのかもしれません。